PR

統合失調症関係者に必要な考え方|統合失調症の共感|実際は並走の方がもっと大事|共感は一般的な日常生活の中だけで十分|なぜでしょうか?医学的な観点から

スポンサーリンク
スポンサーリンク

こんにちは!大地です!統合失調症歴13年目になります!!
突然ですが、僕はピアヘルパーという資格を持っています。大学の授業で取れる資格だったので、念のため持っておいたのですが、その時に学んだ内容から、統合失調症において当事者を共感することに関しての考え方について書いていこうと思います。
とある医学教授が「統合失調症の当事者にはとにかく共感することが大事です」という言葉を使っていました。僕は「ん?統合失調症の症状は100人いれば100通りで、一人ひとりの症状が違うのに共感できる人っているの??」という疑問を持ちました。
そもそも、共感というものは前提条件として他者の感情や状態を理解することなので、同じような境遇や同じような環境にあったことのある人のみが、本当の意味で共感できるものです。
健常者がストレスや愚痴を言う時に、その相手に対してその場だけ・その日だけ共感するのと、今後ずっと病気に悩み続ける可能性のある人に共感し続けながら生活し続けるのとでは、同じ共感でも質も量も全く違うし、体が重いという言葉一つ取っても具体的にどう重いのかは当事者からしても説明しづらく、この感覚に違いはあってもこの感覚と同じだから共感できるという事はないと考えています。

そもそも、病気は感情論じゃないので、感情がベースにある共感は病気の症状で困っている当事者の支えになるかどうかは、はっきり言って人によります。僕の場合は、共感されるよりも一人にしてほしいと考えていますし、少しでも早くひとりでゆっくり休みたいと思っています。一方で、そばにいてくれたことがうれしかったという事を言っている当事者も知っています。

つまり、共感すべきかすべきじゃないかについては、個人差がありすぎて決めることが難しいのでは?と考えています。もちろん、人は一緒に生活していれば意識せずとも普通に共感するので、日常生活における共感自体はすごく正しいと考えていますし、それを否定していません。

しかし、当事者が求めているのは共感そのものではなく、その日常生活の平穏を崩さずに、共に並走してくれるパートナーだと確証があります(/・ω・)/

並走とは、二人以上の人が共に進んでいく事を言います。統合失調症では、当事者と家族が共に病気を良くするために進んでいくプロセスを指します。
統合失調症で体が重い時に、大きな当事者という括りの中から、「私はそばにいてくれるだけで嬉しい」「僕は一人にしてほしい」という個々の考えに目を向ける必要があるのであり、それが必ずしも「共感」に当てはまるわけではないという事を僕は考えています。

なぜこの考えに至ったのかなのですが、僕は多くの当事者と出会って話しています。そして、色々な人と話して、自分が辛い時に家族にやってもらって嬉しかったことに、「そばにいてくれるだけで嬉しい」という事を話す人はいても、本来共感の言葉として使われる「心配」を嬉しいという人は一人もいませんでした。むしろ、「両親に心配かけたことを未だに後悔している」という話を聞くほどです。

この事から、当事者は家族に共感してほしいのではなく、並走してほしいということが分かりました。また、家族が共感してくれて嬉しかったという話をしてくれた当事者の話を聞くと、僕が知る限りご家族の方がやっていたのは共感ではなく並走でした。「大丈夫?」という言葉ではなく「一緒にいるよ」という姿勢です。その当事者はその「並走の話」を「共感してくれる」という言葉を使って話していたので、並走という言葉はあまり知られていない言葉なのだと感じました。

もちろんですが、家族なので日々の生活で会話をしていれば、それなりに共感は生まれている家庭は多いと思います。それは大切な日常生活というパズルのピースの一つなので、一つでも欠けてはいけないものです。しかし、そのピースが多すぎても、当事者はどこにはめるためのピースなの?と思うでしょう。ピースを増やすのではなく、共にパズルを埋めてくれるパートナー、つまり並走することが当事者にとって大切なことだと感じました。

並走してくれる人がいることによって、自分が体調不良な時に頼れる家族がいることが心の支えとなり、自分の自信につながります。とりあえず共感しようとするのではなく、並走することも考え方の一つに入れてみてはどうでしょうか?

医学的な研究では、過度な感情的関与を避けることが重要とされています。
具体的な内容を『日本精神神経学会 統合失調症治療ガイドライン』『厚生労働省 精神保健医療福祉資料』を含めてまとめましたので、ざっくり読んで考え方を増やしてみてください!

スポンサーリンク
スポンサーリンク

疾患理解|心理教育の重要性

まず前提として、統合失調症は脳機能の変化に関連する疾患であり、本人の努力不足や性格の問題ではありません。この理解は家族にとって極めて重要です。誤った理解のまま接すると、叱責や過度な期待につながり、結果としてストレスを増大させ再発リスクを高める可能性があります。統合失調症治療ガイドラインでも、疾患教育すなわち心理教育の重要性が繰り返し強調されています。家族自身が病気の特徴や経過、薬物療法の役割について学ぶことが、適切な関わりの出発点になります。

コミュニケーションの重要性|感情表出の調整

次に重要なのは、過度な感情的関与を避けることです。統合失調症の研究では、家族の批判や敵意、過干渉が強い環境は再発率を高めることが知られています。これは感情表出と呼ばれる概念で説明されます。家族として心配するのは自然なことですが、細かく指示を出し続けたり、症状を否定したりすることは逆効果になる場合があります。ガイドラインでも、安定した関係性と落ち着いたコミュニケーションが推奨されています。例えば、妄想に対して正面から否定するのではなく、「そう感じているのですね」と一度受け止めつつ、現実的な安全確保に目を向ける姿勢が有効とされています。

治療の継続|生活環境の支援

薬物療法への理解と協力も家族の大きな役割です。統合失調症の治療では抗精神病薬が中心となり、継続的な服薬が再発予防に直結します。しかし、当事者本人が副作用や病識の問題から服薬を中断してしまうことは少なくありません。ここで家族が監視者のように振る舞うと関係が悪化するため、あくまで支援者として関わることが重要です。例えば、服薬の意義を一緒に確認したり、通院に付き添ったりするなど、本人の主体性を尊重しながら支える関わりが望まれます。また、統合失調症はストレスに弱い特性を持つとされ、ストレス脆弱性モデルによって説明されます。家族は本人がどのような状況で負担を感じやすいのかを観察し、刺激の少ない環境づくりを行うことが求められます。無理に社会復帰を急がせるのではなく、段階的な回復を尊重する姿勢が重要です。

再発の予防|家族自身のケア

再発のサインを早期に察知することも家族の重要な役割です。睡眠の乱れ、独り言の増加、被害的な発言の増加などは再発の前兆であることがあります。これらの変化に気づいた場合、早めに医療機関へ相談することで重症化を防ぐことが可能です。ガイドラインでも、早期介入の重要性が強調されています。ただし、過度に監視するのではなく、あくまで自然な観察の中で変化に気づく姿勢が大切です。同時に、家族自身の負担にも目を向ける必要があります。統合失調症のケアは長期にわたることが多く、家族が疲弊してしまうケースも少なくありません。ガイドラインでは、家族支援プログラムや家族会の活用が推奨されています。同じ立場の人と経験を共有することで心理的な負担が軽減され、より良い関わり方を学ぶ機会にもなります。

最後に重要なのは、当事者の尊厳と主体性を尊重することです。統合失調症であっても、その人の人生や価値観は守られるべきものです。家族がすべてを決めるのではなく、本人の意思を確認しながら支援することが回復の質を高めます。ガイドラインにおいても、リカバリー志向の考え方が重視されており、単に症状を抑えるだけでなく、その人らしい生活を実現することが目標とされています。

以上のように、統合失調症において家族ができることは多岐にわたりますが、その根底にあるのは理解、尊重、そして適度な距離感です。日本精神神経学会の統合失調症治療ガイドラインは、こうしたバランスの取れた関わりを重視しており、家族もまた治療チームの一員として重要な役割を担っています。適切な知識と支援を通じて、当事者と家族の双方が安定した生活を築いていくことが期待されます。

参考文献

日本精神神経学会 統合失調症治療ガイドライン
厚生労働省 精神保健医療福祉資料
Lehman AF et al. Practice Guideline for the Treatment of Patients with Schizophrenia

コメント