こんにちは!大地です!統合失調症歴13年目になります!!
突然ですが、認知機能トレーニングって知っていますか?統合失調症の認知機能トレーニングの研究は『脳の使い方そのもの』を訓練することです。従来の治療は主に薬によって幻覚や妄想といった症状を抑えることが中心でした。一方で認知機能トレーニングは『生活しやすさ』を上げることや『できることを増やすこと』を目的としています。
重要なのは、統合失調症は症状が軽くなっても社会生活がうまくいかないという問題があります。これらが問題視されていて、認知機能トレーニングは症状とは別の問題に焦点を当てる研究になります。
統合失調症の場合、幻覚や妄想はお薬で抑えることはできても、人とかかわることが難しい・集中できないなど、お薬では解決できない部分をトレーニングするのが認知機能トレーニングです。
僕が考えていたことで、当事者でこの考え方は治した方が良い・ご家族でこの考え方なら直した方が良いという考え方があります。それが、統合失調症のお薬で治せないこと(人とかかわるのが苦手になってしまったなど)は、自分のせいにしないで、統合失調症だからそうなっているという自覚を持つことです。
それができることで、症状であるとしっかり認識できて、回復期にちょっとずつ昔出来たことをやってみようかな?と考えられるようになります。
お薬を飲めば治ることと、お薬を飲んでも治らないことがある。という事は予め知っておくと、症状治まったら何しようかな?などと考えることができ、それが活動したいという意欲につながると考え、今回は認知機能トレーニングについて記事にすることにしました。
具体的にどんな内容なのかを、日本が研究した内容のみの臨床研究をもとにまとめたのでぜひ読んでみてください!
認知機能トレーニングってなに?
統合失調症における認知機能トレーニングとは、注意力や記憶力、思考の柔軟性といった認知機能の障害に対して、体系的な訓練を行う心理社会的介入です。統合失調症は幻覚や妄想といった陽性症状だけでなく、認知機能障害が長期的な生活機能に強く影響することが知られています。そのため近年では、症状の軽減だけでなく、日常生活のしやすさを改善することを目的とした介入が重視されています。
日本の臨床研究でも、認知機能障害は社会復帰や生活の質と密接に関連することが指摘されており、認知機能への直接的なアプローチが重要視されています。例えば認知機能リハビリテーションに関する研究では、認知機能の改善が社会機能の回復に寄与する可能性が示されています 。
日本で多く実施されているメタ認知トレーニングは、単なる認知機能の強化ではなく、考え方の偏りそのものに気づく力を高めることを目的としたプログラムです。これは統合失調症に特徴的な結論への飛躍や脅威的解釈などの認知バイアスを修正することを狙っています 。
このように認知機能トレーニングは、従来の薬物療法とは異なり、脳の働き方や情報処理の仕方そのものに介入する治療であり、回復の新たな柱として位置づけられています。
どんなことをするの?
認知機能トレーニングの内容は複数のアプローチに分かれますが、日本の臨床では主に二つの方向が中心となっています。一つは認知機能そのものを鍛えるトレーニングであり、もう一つは認知の偏りに気づくメタ認知トレーニングです。
認知機能そのものを鍛える方法では、注意力や記憶力、処理速度を高める課題が用いられます。例えば、一定時間集中し続ける課題や、複数の情報を同時に保持して操作する作業記憶課題、素早く判断するトレーニングなどが行われます。これらは繰り返し実施されることで、情報処理の効率を高めることが期待されます。
一方でメタ認知トレーニングでは、グループ形式での心理教育が中心となります。参加者は日常的に起こりやすい思考の偏りについて学び、それを自分自身の体験に当てはめながら理解していきます。例えば結論への飛躍という認知バイアスについて学び、十分な情報がない状態で判断してしまう傾向に気づくことが促されます。
日本の臨床研究では、こうしたメタ認知トレーニングにより認知の偏りが有意に改善したことが報告されています。具体的には、脅威的な解釈や破局的思考、感情に基づく推論などの複数の認知バイアスが改善する結果が示されています 。
また、これらのプログラムは単なる訓練ではなく、参加者同士の対話や共有を通じて進められる点も特徴です。そのため、他者の視点を知ることや、自分の考え方を客観的に見る力が自然と養われていきます。
ここで、一定時間集中し続ける課題や、複数の情報を同時に保持して操作する作業記憶課題、素早く判断するトレーニングなどが行われます。とまとめているのですが、初めは集中力を養っていく事から始めることが良いと考えていて、いきなり全てを行うと、ストレスになったり疲れてしまったりします。
自分の興味のあることや、趣味の内容を簡単にまとめておいて、wordなどで自分だけのオリジナルブックを趣味で作るのも集中力を上げるトレーニングになるのかなと感じています!
具体的な内容10選
①注意力トレーニング
一定時間、同じ課題に集中し続ける練習です。
例えば、画面に出てくる特定の文字や記号だけを押すといった課題を繰り返します。
集中力の持続を高める目的があります。
②選択的注意トレーニング
複数の情報の中から必要なものだけを選ぶ練習です。
雑音の中で特定の音を聞き取る、似た図形の中から違うものを探すなどの課題を行います。
人混みや会話の理解に関係します。
③作業記憶トレーニング
一時的に情報を覚えながら処理する力を鍛えます。
例えば、数字を逆から言う、指示を聞いて順番通りに行うといった課題です。
会話や仕事の段取りに直結します。
④処理速度トレーニング
情報を素早く処理する力を高める練習です。
簡単な計算や判断をできるだけ速く行う課題などがあります。
日常生活の「遅れ」や「詰まり感」の改善に関係します。
⑤実行機能トレーニング
計画を立てて行動する力を鍛えます。
買い物の手順を考える、料理の手順を組み立てるなどの課題が使われます。
生活の自立に重要な能力です。
⑥問題解決トレーニング
困った状況に対して複数の解決策を考える練習です。
「電車に乗り遅れたらどうするか」など、現実的な場面を想定して考えます。
柔軟な思考を育てます。
⑦社会認知トレーニング
相手の表情や感情を読み取る練習です。
顔写真を見て感情を当てる、会話の意図を考えるといった課題があります。
対人関係の改善に関係します。
⑧メタ認知トレーニング
自分の考え方のクセに気づく練習です。
例えば「すぐに結論を出してしまう傾向」などを学び、それに気づけるようにします。
妄想の確信度を下げることにもつながります。
⑨コンピュータ課題トレーニング
パソコンやタブレットを使ったゲーム形式のトレーニングです。
注意力や記憶力をゲーム感覚で鍛えられます。
継続しやすいのが特徴です。
⑩実生活応用トレーニング
トレーニングした能力を実際の生活で使う練習です。
買い物、公共交通の利用、簡単な作業などを実際に行います。
「できること」を現実に結びつける段階です。
調べたところ、『wordなどで自分だけのオリジナルブックを趣味で作る』という事は⑤③①の順で効果が期待できるようです。具体的な内容も書いておきます!
⑤実行機能トレーニング
内容を整理する・構成を考える・どう書くか決める
これらの作業から、⑤がメインとして当てはまります。
③作業記憶トレーニング
思い出しながら書く・情報を頭の中で整理する
考えながら書く時に使われます。
①注意力トレーニング
書き続ける・集中を維持する
最初は10分・15分など、短い時間で時間を区切りながら始めて、徐々に時間を増やしていく事でより効果が期待できます。
やり方によっては効果があるものがあって、⑧⑥⑩の順でやりやすさがあるのかなと感じています!
⑧メタ認知トレーニング
なんでこう思ったのかなど、自分の考え方を振り返って考える。
⑥問題解決トレーニング
どうまとめるか考える・表現を工夫する・どう書けば伝わるかを考えると⑥のトレーニングにもなります。
⑩実生活応用トレーニング
実際の知識や経験・日常とつながる内容を書くと、実生活で使える内容になるので、⑩も当てはまります。
臨床研究で示されている効果
日本の臨床研究からは、認知機能トレーニングが複数の領域に影響を与えることが示唆されています。まず認知機能そのものについては、注意や記憶、実行機能の改善が一定程度確認されています。これにより、日常生活における情報処理の負担が軽減される可能性があります。
重要なのは、認知機能の改善が生活機能や社会機能に波及する点です。認知機能が向上することで、対人関係の理解や作業能力が改善し、結果として生活の質の向上につながると考えられています。
メタ認知トレーニングに関しては、認知的洞察の改善が報告されています。認知的洞察とは、自分の考えが必ずしも正しいとは限らないと理解する力であり、妄想の確信度を下げることに関係します。日本の研究でも、メタ認知トレーニングによってこの能力が向上することが示されています 。
治療者との関係性にも影響があることが示唆されています。メタ認知トレーニングを通じて、患者と支援者の間に新たな理解や距離感の変化が生じる可能性があり、これは治療継続にも重要な要素となります 。
ただし、これらの効果は万能ではありません。陽性症状に対する直接的な効果は限定的であり、主に認知や機能面に影響するという特徴があります。そのため、薬物療法や他の心理社会的介入と組み合わせて用いられることが一般的です。
臨床的意義と今後の課題
認知機能トレーニングの最大の意義は、統合失調症を症状の病気だけでなく、機能の問題として捉え直す点にあります。従来は幻覚や妄想の軽減が治療の中心でしたが、それだけでは社会復帰が難しいケースが多く存在していました。
認知機能トレーニングは、このギャップを埋めるアプローチです。つまり、できないことを個人の性格や努力不足としてではなく、認知機能の特性として理解し、それに対して具体的に介入する方法です。この視点は、自己効力感の回復にもつながると考えられています。
一方で課題もあります。これらの効果の大きさには個人差があり、すべての患者に同様の効果が得られるわけではありません。また、継続的なトレーニングが必要であり、動機づけの維持が難しい場合もあります。
日本の研究は比較的小規模なものが多く、今後は大規模なランダム化比較試験による検証が求められています。また、実際の生活場面への一般化をどのように促すかも重要な課題です。
それでも、認知機能トレーニングは統合失調症のリカバリー志向医療において重要な役割を担うと考えられています。症状の軽減だけでなく、その人らしい生活の回復を目指す上で、今後さらに発展していく領域であるといえます。
参考文献
安永知衣里,他「メタ認知トレーニングが統合失調症者の認知の偏りに与える影響」2023
林良太,他「統合失調症に対するメタ認知トレーニングと認知的洞察」2020
勝見明彦「統合失調症の認知機能リハビリテーションの効果」2012


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