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統合失調症歴13年目|SNSの使い方で幸福感は変わる?大学生408人を調査した研究|心理学研究から|パーソナルリカバリ―

『統合失調症関連記事』

朝起きてスマートフォンを開き、SNSをチェックする。通学や通勤の途中にタイムラインを眺め、寝る前にも何気なく投稿を見る。そんな毎日を送っている人は多いのではないでしょうか。

SNSは、友人との連絡や情報収集、趣味の共有など、今では私たちの生活に欠かせない存在となっています。その一方で、「友人とのやり取りで元気をもらえた」と感じる日もあれば、「他人と自分を比べてしまい、なんとなく気分が落ち込んだ」「気づけば長時間見続けて疲れてしまった」と感じた経験がある人もいるかもしれません。

統合失調症と向き合いながらパーソナルリカバリーを歩むうえでは、自分に合ったSNSとの付き合い方を考えることは、心の負担を減らし、自分らしい生活を送るための考え方や選択肢の一つになることもある可能性があります!その付き合い方に絶対の正解はありませんが、だからこそ、自分にとって心地よい距離感を見つけることが大切だと考えています!

では、使って良かったと感じる事と、感じない事の違いはどこから生まれるのでしょうか。SNSそのものが心に良い影響や悪い影響を与えているのでしょうか。それとも、私たちの「使い方」によって、その影響は変わるのでしょうか。

身近な存在だからこそ、普段はあまり意識することのないこの疑問。今回は、SNSの使い方と精神的健康の関係について、一緒に考えてみたいと思います。

1. SNSの使い方は精神的健康に影響する?研究の背景

近年、Twitter(現X)やInstagramなどのSNSは、私たちの生活に欠かせないコミュニケーションツールとなっています。友人との交流や情報収集、趣味の共有など、さまざまな目的で利用されていますが、その一方で、「SNSは心の健康に良い影響を与えるのか、それとも悪い影響を与えるのか」という疑問は、これまで多くの研究で議論されてきました。

これまでの研究では、SNSを利用することで他人と自分を比較しやすくなり、幸福感の低下や抑うつにつながる可能性が指摘されています。一方で、SNSを通じて友人とのつながりが広がったり、社会的な支えを得られたりすることで、幸福感が高まるという研究結果も報告されています。このように、SNSは「良い」「悪い」と単純に言い切れるものではなく、利用の仕方によって精神的健康への影響が変わる可能性があると考えられています。

特に、新型コロナウイルス感染症の流行は、多くの大学生の生活を大きく変えました。オンライン授業の導入や外出自粛によって対面で友人と交流する機会が減少し、その代わりにSNSを利用して人とのつながりを維持したり、新たな友人を作ったりする学生が増えました。しかし、このような状況でSNSが精神的健康にどのような影響を与えたのかについては、学年や利用方法によって違いがある可能性が考えられます。

そこで本研究では、コロナ禍を経験した大学生408人を対象に、TwitterやInstagramの利用状況と精神的健康との関係を調査しました。さらに、アンケート調査だけでなくインタビュー調査も実施し、「どのようなSNSの使い方が幸福感や孤独感に関係しているのか」を、学年ごとの違いにも注目しながら詳しく分析しています。

この記事では、この研究で明らかになった結果をわかりやすく紹介するとともに、SNSとの付き合い方について考えられるポイントを解説していきます。

2. 大学生408人を対象にした研究の内容

今回紹介する研究では、コロナ禍を経験した大学生408人を対象に、SNSの利用状況と精神的健康との関係について調査が行われました。調査は2022年8月から9月にかけて実施され、関東地方の複数の大学に通う学生が参加しています。

研究では、精神的健康を評価する指標として**「幸福感」と「孤独感」**の2つに注目しました。幸福感は「自分の人生に満足しているか」「毎日を楽しいと感じられるか」といった前向きな心理状態を表し、孤独感は「周囲とのつながりを感じられているか」を評価する指標として用いられています。

また、SNSについては、Twitter(現X)とInstagramを対象に、それぞれどのように利用しているのかを詳しく調査しました。単に利用時間を調べるだけではなく、「投稿しているのか、それとも閲覧が中心なのか」「大学の友人とつながっているのか」「オンラインだけの知り合いと交流しているのか」といった利用方法まで分析しています。

さらに、この研究ではSNSの使い方だけでなく、社会的スキルや社会的寛容性といった個人の特徴についても調査しています。これは、人との関わり方や考え方の違いによって、SNSが精神的健康へ与える影響が変わる可能性があるためです。

加えて、アンケート調査だけでは分からない背景を明らかにするため、23人の大学生に対してインタビューも実施されました。SNSをどのような目的で利用しているのか、誰と交流しているのか、不快な投稿を見たときにどのような行動を取るのかなどを詳しく聞き取り、アンケート結果だけでは見えない実際の利用状況も分析しています。

このように本研究は、数値データによる分析だけでなく、実際の学生の声も取り入れながら、SNSと精神的健康との関係を多角的に検討している点が大きな特徴です。

3. Twitter・Instagramの使い方で精神的健康に違いが見られた

本研究では、アンケート調査だけでなくインタビュー調査も行われ、SNSの利用方法によって精神的健康との関係に違いが見られることが分かりました。研究では学生のSNSの使い方を分析した結果、主に4つのタイプに分類しています。それぞれの特徴を見ていきましょう。

3-1. リアル・コミュニケーション型|現実の友人との交流を支えるSNS利用

最も精神的健康が良好な傾向を示したのが、「リアル・コミュニケーション型」です。

このタイプは、大学の友人など現実で付き合いのある人とTwitterでやり取りをしたり、Instagramでも親しい友人と交流したりする学生が当てはまります。多くの学生で幸福感が高く、孤独感が低いという結果が得られました。

インタビューでは、Twitterで知り合った大学の学生と実際に会うようになったり、「ご飯に行ける人」を募集して交流を広げたりするなど、SNSが現実での人間関係を広げるきっかけになっている様子も語られています。

研究者は、SNSが現実の人間関係を補強する役割を果たしていることが、幸福感の高さにつながっている可能性があると考察しています。


3-2. オンライン・コミュニケーション型|オンラインだけの交流では個人差も

次に紹介するのは、「オンライン・コミュニケーション型」です。

このタイプは、現実の友人よりも、オンライン上で知り合った人との交流を中心にSNSを利用している学生です。調査では、社会的スキルが低い学生ほど幸福感が低く、孤独感が高い傾向が見られました。

しかし、すべての学生が同じ結果だったわけではありません。不快な投稿を積極的にミュートやブロックしたり、TwitterとInstagramを目的ごとに使い分けたりしていた学生では、精神的健康が比較的良好な例も見られました。

つまり、オンラインで交流すること自体が問題なのではなく、どのようにSNSを使い、自分にとってストレスの少ない環境を作るかも重要であることが示唆されています。


3-3. 表現型|自己表現だけでは精神的健康につながらない可能性

「表現型」は、自分の考えや趣味、日常の出来事などを積極的に発信する一方で、SNS上ではあまり他者とコミュニケーションを取らないタイプです。

このタイプでは、社会的スキルが高い学生であっても、幸福感が低く孤独感が高いケースが見られました。

研究では、自己表現そのものが問題なのではなく、投稿が現実の人間関係の維持や交流につながっていない場合、精神的健康への良い影響は期待しにくい可能性があると考察しています。

一方で、社会的スキルが低い学生の中には、不快な投稿を積極的に避けることで精神的健康を保っている例もありました。ただし、このような自己防衛が長期的にどのような影響を与えるかについては、今後さらに検討が必要であるとしています。


3-4. Twitter発信なし型|親しい人とのつながりを大切にする利用

最後は、「Twitter発信なし型」です。

このタイプは、Twitterではほとんど発信せず、Instagramのみを利用する学生や、SNS自体をあまり利用しない学生が含まれます。

特にInstagramでは、親しい友人だけに向けて気軽に投稿している学生ほど幸福感が高い傾向が見られました。現実で信頼関係のある相手との交流を続けることが、精神的健康にも良い影響を与えている可能性があります。

また、大学入学当初はTwitterを利用して友人づくりをしていたものの、高学年になるにつれて利用を減らし、現実の人間関係を中心に過ごすようになった学生もいました。研究者は、特に社会的スキルが低い学生では、無理にSNSで人間関係を広げるよりも、現実の限られたコミュニティで信頼関係を築くことが精神的健康の維持につながる可能性を指摘しています。


3‐5|4つのタイプから見えてきた共通点

4つのタイプを比較すると、SNSが精神的健康に与える影響は、「利用しているかどうか」ではなく、「誰と、どのような目的で利用しているか」によって大きく変わることが分かります。

現実の人間関係を支えるためのSNS利用は幸福感の高さと関連していました。一方で、自己表現だけを目的とした利用や、オンラインだけのつながりに依存した利用では、必ずしも同じような結果にはならないことが示されました。

4. この研究から分かること|統合失調症との関連は?

今回の研究では、SNSは「使うこと」そのものが精神的健康に良い・悪いという単純なものではなく、「どのように使うか」が重要であることが示されました。

特に印象的だったのは、現実の友人との関係を補うようにSNSを利用していた学生は、幸福感が高く、孤独感が低い傾向が見られたことです。一方で、オンライン上だけの人間関係に依存していた学生や、Twitterを情報収集や自己表現の場として利用する傾向が強かった学生では、精神的健康があまり良好ではないケースも見られました。

また、この研究では「社会的スキル」の高さも重要な要因として挙げられています。社会的スキルが高い学生は、SNSを現実の人間関係の延長として活用しやすく、その結果、精神的健康も良好な傾向が見られました。一方で、社会的スキルが低い学生では、SNSを通じて無理に人間関係を広げようとするよりも、少人数の信頼できる友人との関係を大切にする方が、精神的健康を維持しやすい可能性が示唆されています。

つまり、この研究から見えてきたのは、「SNSは現実の人間関係を補強するためのツールとして使うことで、その効果を発揮しやすい」ということです。反対に、SNSだけで人間関係を築こうとしたり、他人の投稿を見続けたりする使い方では、必ずしも精神的健康につながるとは言えないようです。

ただし、この研究にはいくつかの限界もあります。調査対象は関東地方の大学生であり、調査が行われたのはコロナ禍という特殊な状況でした。そのため、現在の大学生や社会人、高齢者などにも同じ結果が当てはまるとは限りません。また、この研究はSNSの利用と精神的健康との「関連」を調べたものであり、「SNSの使い方が精神的健康を改善した」「悪化させた」といった因果関係を証明したものではありません。

統合失調症との関連

今回紹介した研究は、統合失調症の患者さんを対象に行われたものではありません。そのため、「このようなSNSの使い方をすれば統合失調症の症状が改善する」「悪化する」と結論づけることはできません。

しかし、統合失調症では、孤立や社会的つながりの減少、孤独感などが回復や生活の質に影響することが知られています。そのため、現実の人間関係を補うようにSNSを活用し、無理のない範囲で人とのつながりを維持することは、社会参加を支える一つの方法になる可能性があります。一方で、SNS上での人間関係だけに依存したり、他者との比較を繰り返したりすることは、精神的な負担につながる可能性もあるため、利用方法には注意が必要でしょう。

今後は、統合失調症を対象とした研究においても、「SNSをどのように使うことが回復や生活の質の向上につながるのか」が、さらに明らかになっていくことが期待されます。

まとめ|精神的健康の可能性

今回ご紹介した研究では、SNSは「使うこと」そのものではなく、「どのように使うか」が精神的健康に関係している可能性が示されました。現実の友人とのつながりを深めるために活用することで幸福感につながる場合がある一方、使い方や目的によっては、必ずしも良い影響ばかりとは限りません。

もちろん、この研究はコロナ禍を経験した大学生を対象としており、すべての人に同じ結果が当てはまるわけではありません。しかし、SNSとの付き合い方を見直すきっかけになる重要な研究であると言えるでしょう。

SNSは、私たちの生活を便利で豊かにしてくれるツールです。その一方で、自分にとって負担になっていると感じたときには、少し距離を置いたり、使い方を見直したりすることも大切です。大切なのは「SNSを使うか、使わないか」ではなく、「自分に合った使い方を見つけること」なのかもしれません。この記事が、皆さん自身のSNSとの向き合い方を考えるきっかけになれば幸いです。

最後に|免責事項・注意書き

本ブログで発信している内容は、あくまで僕個人の体験談や調べた記録に基づいたものです。統合失調症の症状や療養プロセスは人それぞれ異なるため、すべての当事者の方に必ずしも当てはまるわけではありません。

症状や治療について詳しく知りたいこと、不安なことがあれば、必ずご自身の主治医の先生にご相談ください。

  • 僕へのご連絡について: これまでSNS上などで、多くの方の相談に乗らせていただいた実績があります。もし僕に話を聞いてほしいことや、共有したいことがあれば、お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください!
    ただし、僕は医療従事者ではないため、専門的な治療の判断や、お体の責任を負うようなカウンセリングは致しかねます。あくまで「統合失調症歴13年目の統合失調症経験者」として、お話をお伺いする形になりますので、その点だけご了承いただけますと幸いです(僕個人では対応しきれない重いお悩みなどの場合は、主治医や専門機関へのご相談をお勧めすることがあります)。
  • 専門的な情報をお求めの方へ: 統合失調症に関する、より専門的で正確な情報が必要な場合は、国立精神・神経医療研究センター(NCNP)などの専門機関のホームページを参考にされることを強くお勧めします。

専門的な情報を確認した上で、気になる点はぜひ主治医の先生に質問してみてくださいね。

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