『大地の日常』 君と笑えるようになるまで
春になり、高校二年生になった俺は、新しいクラスの一番後ろの席から窓の外を眺めながら、満開になった桜の木をぼんやりと見ていた。 クラス替えをしてまだ数日しか経っていないこともあって、教室の中にはどこかよそよそしい空気が残っていて、俺自身もまだ気軽に話せる友達ができたわけではなかったから、休み時間になるとスマホを眺めたり、窓の外を見たりしながら、一人で時間を過ごすことが多かった。「ねえ、さっきからずっと外を見てるけど、そんなに桜が好きなの?」 突然、隣の席から声をかけられたので、俺は少し驚きながら顔を上げた。「えっ、ああ……別に桜が好きってわけじゃないけど、何となく見てただけだよ」「何となくって、...